白熱教室JAPAN大阪大学小林傳司教授への疑問(その1)

話題になった「ハーバード白熱教室」にあやかって「白熱教室JAPAN」なる番組が製作されている。
科学技術社会論の立場から、大阪大学の小林傳司教授の講義が取り上げられた。
私はこの講義の内容/見方には大いに疑問があるので、数回に分けてその内容について述べてみたい。

現時点での疑問点は次のような感じである。

  • 単に議論することだけに重点が置かれ、その内容は具体性を伴わない一般論的/観念論的な発言の応酬になってしまっているのではないか。
  • 理系と文系の間のコミュニケーション不全と対話の必要性ばかりが強調され、科学と社会の関わりの具体的な事例を詳細に検証するという方向へ関心を向けられない形式になっているのではないか。
  • 結局のところ小林の見方や考え方が披瀝され過ぎていないか。

私は「ハーバード白熱教室」を興味深く見た一人である。
しかし、少なくともこの小林の講義は、もともとの「ハーバード白熱教室」にあった良いポイントを完全に喪失してしまっているのではないかと思えてならない。なお、ここで述べる観点は、何かを論証しようとするものであるというより、多分に私の主観的な見解の表明であることをお断りしておく。

(この記事は必要に応じて追記する可能性がある。)